企業の現状

企業にとっての介護支援制度の必要性

日本の社会が抱える問題「高齢化。」また高齢化に伴い増える介護。次に示す統計などからも、将来、企業に勤める従業員が介護をする確率の高さがわかります。
まずは統計などから介護の現状を見てみましょう。

1.高齢者において介護が必要な現状は統計から一目瞭然です。
企業の現状
介護保険の要支援・要介護の認定を参考にすると、現段階で既に75歳以上で4人に1人が介護等が必要な時代となっています。(夫婦の75歳以上両親共に、健在であれば1人は要介護等状態という状況です) なお、平成22年10月1日調査によると、65歳以上の高齢者人口は全人口の23%。

2.下記統計では「介護は嫁が…」という時代も徐々に変化し、 要介護者等と同居する場合の介護の担い手は嫁 ⇒ 娘や息子へシフトしていることが伺えます。
企業の現状
現在でも介護者の3割程度は男性でありますが、今後ますます企業の男性従業員が男性介護者になっていくものと予想されます。

3.未婚者の増加や晩婚化から、介護の担い手は50代が中心となってきています。
企業にとって重要な世代である人材が介護のために退職や勤務形態の変更などを余儀なくされる可能性も高くなります。他にも、労働力全体の動向として、2055年には、65歳以上の高齢人口と15歳から64歳の生産年齢人口の比率は1人の高齢人口に対して、1.3人の生産年齢人口になるという推計もあります。(2010年では1人の高齢人口に対して、2.8人の生産年齢人口)このような時代が到来した場合に企業は次のように労働力不足というリスクを抱えることになります。

  • 高齢化による生産年齢人口、つまり働く従業員の減少による労働力の不足
  • 高齢化により介護しなければならない従業員の増加による労働力の減少

このようなことから、企業は、従業員のために有効な介護支援策を策定し、介護による退職などを回避する必要があります。 その他企業と介護を中心とした統計はこちら

企業の介護支援の実態

企業の介護する従業員のための介護支援の現状は、これからという状態。大手企業は、ワーク・ライフ・バランス、育児と介護の両立支援という視点で、まずは育児についてある程度進めてきたので、次は介護という段階に来ているようです。

また、中小企業の場合は、重要なポストにいる従業員が介護しなければならなくなった場合等に必要にせまられ支援制度を考える場合や介護に限らず、従業員が個別に抱える状況にあわせた働き方を率先している企業の場合など、介護支援に取り組む企業はまだまだ少ない状況です。

企業の介護支援の実態はこれからという状況ですが、徐々に企業が介護支援をするための情報が発信されてきました。東京大学の佐藤博樹教授を中心とした「ワーク・ライフ・バランス推進・研究プロジェクト」の中では、仕事と介護の両立という視点から研究し、結果を社会へ向け情報発信しはじめています。また、5年ほど前には法政大学の西川真規子教授が「介護休業制度の利用状況等に関する研究」の報告の中で、介護する従業員の仕事と介護の両立の課題や介護休業が取得できない、しなかった理由等について調査をしています。

この調査は1999年に介護休業が義務化されて6~7年が経過した時点での調査です。この時点ではまだ介護休業という制度の認知度が低かったようです。職場に介護休業制度がない、制度の内容が使いづらい、休暇取得したら収入が減るなどの理由で、介護休業が取得されていないという結論がされていました。そのほか、アンケート結果等では、次のようなことも示されていました。

  • 主たる介護者は介護がはじまった当時に勤務していた会社を辞めている場合が多い
  • 勤務を続ける場合の介護者は、介護休業をとらず、有給休暇や欠勤、遅刻、早退などで対応している場合が多い
  • 経済的な不安と肉体的な不安を抱える介護する従業員が多い

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